延納の選択は相続破綻へ
延納では相続税を分割して支払うことができ、最高20年まで支払い期限を延長することができます。ただし、延納した相続税額分には、利子税がかかります。
◆延納の利子税は0.8%(H30年)
銀行の融資はおよそ1.1%程度であるため、納税資金を銀行の融資に頼る必要はなくなりました。しかし、0.8%といえど利子。借金していることに変わりはないのです。
◆「たら・れば」が前提
延納は「土地が売れたら」「家賃が入れば」といった「たら・れば」を前提に選択されるため、社会の激変に対処しきれません。少子高齢化により郊外の土地価格は下落。 賃貸収入においても建物は劣化し空き家は増加傾向。相続放棄により空き家となった戸建てが、現状はおよそ800万戸となっています。
◆税務署は特定物納を勧める
延納が困難になった場合、申告期限から10年以内に限り、物納への変更が認められますが、延納資金に充当するために売れるものは全て売り尽くすこととなります。売れ残った物件は物納要件を満たすことができない可能性も。特定物納はつじつま合わせに過ぎないのです。
延納は問題の先送り。次世代が尻ぬぐいをすることになります。
参考コラム→「物納は合理的」